掃除・洗濯の謎

ドライクリーニングとは何か?家でドライ洗濯する時の注意点を解説

春と秋は衣替えの季節であり、この時期にクリーニングを利用される方は多いと思います。

その時に、クリーニング店を利用すると、ドライクリーニングという言葉を聞くかと思いますが、実際のところドライクリーニングについてきちんと理解出来ている人は少ないかと思います。

また、ドライマーク表示がついている衣類の洗濯をする時も、普通に洗濯機のドライ洗濯でいいのか、お金はかかるがドライクリーニングをするべきか迷われる方は多いと思います。

この記事では、ドライクリーニングの概要と、自宅でのドライ洗濯についてお話していきます。

衣類の汚れの種類と洗浄方法の選択

衣類の汚れには、大きくわけて3種類あり、汚れの種類により洗浄方法が異なりますので、汚れの種類はきちんと把握しておきましょう。

これらをきちんと把握する事で、せっかくドライクリーニングまたはドライ洗濯したのに汚れが落ちなかったという事がないようにしたいところです。

水溶性汚れ

水に溶けやすく有機溶剤に溶けにくい汚れの事です。

汚れの原因として、尿素、タンパク質、アンモニア、糖、塩分など汗、食べ汚し、尿などであり、衣類の大半の汚れは、この水溶性汚れに当てはまります。

この汚れは、普通の水洗いをすれば取れる汚れです。クリーニング店では普通のランドリークリーニングで問題ありません。

水洗いは、大半の汚れをきれいに落としてくれますが、浸透力が強いため、衣類の染料まで落としたり、縮んでしまうという欠点があります。

油性汚れ

有機溶剤に溶けやすく水に溶けにくい汚れの事です。

汚れの原因として、皮脂、化粧品、ドレッシングやマヨネーズなどの食用油などがあります。

この汚れは、普通の水洗いでは、なかなか汚れを落とす事が出来ないので、ドライクリーニングすることで汚れを取る事が出来ます。

ドライクリーニングは、油汚れに限定されてしまうので、使用頻度としてはあまり高くないですが、有機溶剤を使用する事で、色落ちや型崩れの心配がないのが特徴です。

不溶性汚れ

水にも有機溶剤にも溶けない汚れの事です。

不溶性汚れの場合、ホコリやススといったものが原因で、正直ここまで来ると汚れを除去する事を諦らめるの方が賢明かと思います。

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ドライクリーニング

ドライクリーニングとは

クリーニング店や洗濯表示マークでよくみかけるドライですが、乾燥した中で洗濯をするという意味ではありません。

ドライクリーニングは、水を使わない洗濯という意味であり、水を使う代わりに有機溶剤を用いて洗濯をします。

有機溶剤とは、油やゴム、塗料、樹脂など水に溶けないものを溶かす有機化合物で、アルコール、シンナー、ガソリン、灯油などがあります。

ドライクリーニングで使用する有機溶剤について

実際にクリーニング店でドライクリーニングした時に使用される有機溶剤はどのようなものがあるのでしょうか?

きちんとしたクリーニング店であれば、衣類の種類、汚れ具合からきちんと溶剤を使い分けています。

塩素系溶剤

不燃性で溶解力が大きいため、汚れはよく落とせますが、絹などのデリケートな衣類には不向きです。

石油系溶剤

塩素系に比べて安価で、シルクやウールなどのデリケートな衣類に多く用いられています。そのかわり、洗浄力がマイルドであるため、塩素系溶剤に比べると溶解力が多少怠ります。

また、衣類に残留すると皮膚障害を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

フッ素系溶剤

低温乾燥が可能で、安全に洗浄できますが、溶剤自体が高価であるのが欠点です。

ドライクリーニング後の独特の匂いの原因

ドライクリーニング後の衣類を受け取った時に、独特の匂いがついている事があるかと思います。

ドライクリーニングをする際に、ドライ溶剤は環境面の影響により、排水することができないので、溶剤管理をおこない、フィルターなどでこして、キレイな状態で再度ドライ溶剤として使用しています。

この溶剤管理はクリーニング店や管理する人によって差があるため、溶剤管理が悪いとドライクリーニング溶剤が汚れ、洗浄した衣類にこの汚れや臭いが移る為、洗う事によって再び汚れる再汚染状態になってしまいます。

せっかくドライクリーニングしたのに、汚れて戻ってくるのは嫌ですし、万が一匂いがきつい場合は、再汚染がひどいので、別のクリーニング店に依頼するのが賢明かと思います。

ドライクリーニングの欠点と解決方法

ドライクリーニングに出すときの条件は、油性の汚れを落とすときに利用します。

ここでひとつ疑問が出てくる事があると思います。

「水性の汚れでもシルクやウール等の水洗い不可の衣類やデリケートな衣類はどうしたらいいの?」

水洗いすれば、大半の汚れは落ちるが衣類の品質が劣化してしまいますし、いくらドライクリーニングで衣類の品質が保てても、汚れが落ちなければ意味ありません。

実は、こういう時は、ウェットクリーニングを行なうと良いです。

ウェットクリーニングは、洗濯表示がドライ洗いがOK、水洗い不可の衣類で、ドライだけでは落ちにくい汗や食べこぼしの汚れを、縮みや型崩れを起さないように、非常に汚れ落ちがよい特殊な洗剤を使用した水洗いの事です。

ただし、衣類に深く入り込んだシミは除去出来ません。

それでしたら、

「始めからドライクリーニングをせずに、ウェットクリーニングすればいいのでは?」

と思いでしょうが、実はウェットクリーニングは値段が高いのと高度な技術が必要になるため、失敗のリスクがどうしてもつきまとってしまいますので、クリーニング店で頼むときは、保証出来ない事を念をおされるかと思います。

家でドライ洗濯する場合

ドライマークがついている衣類を家庭の洗濯機を使って洗濯する場合、クリーニング店のドライクリーニングとは全く性質から異なる事を理解しなければいけません。

そもそも、ドライマークを洗濯機で洗う段階で水を使う事になり、クリーニング店のドライクリーニングと仕上がりに差が出るのは当然の結果であるからです。

自宅でドライ洗濯するときは、ドライマークの衣類は、洗濯表示が「手洗い×」の表示で、「ドライクリーニングで洗濯ができます」と洗濯表示に記載している衣類であれば、ドライ洗濯しても問題はないかと思われます。

また、自宅の洗濯機でもドライ洗濯機能がついていれば、ウェットクリーニングと同様の効果がある程度期待出来ます。

自宅でドライ洗濯する場合は、きちんとやり方を調べてから行なう事を強くお勧めしますし、どうしても心配な方はやはりプロのクリーニング店に依頼するのが良いと思います。

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