日本人が普段生活の中で使われている、気温、体温、お風呂や料理するときのお湯の温度はすべて摂氏で表されています。
そんなの当たり前と思っているでしょうが、
アメリカやヨーロッパの一部などでは、温度を表す時は華氏を用います。
そのため、温度の表記が異なるため、アメリカへ留学や旅行した時に、現地の天気予報を見ると気温が以上に高くなったり、シャワーを浴びる時に温度を日本の温度感覚で設定して冷たすぎてびっくりした経験をした方がいるかもしれません。
つまり、各国や地域で温度の基準が違うため、日本人が海外に行ったり、海外の人が日本に来日にした時に、カルチャーショックを受ける事があります。
温度は私たちの生活に最も身近な単位のひとつであるため、温度表示が異なると生活に支障をきたしてしまいます。
そのため、
・摂氏と華氏の定義について
・摂氏と華氏の温度変換について
・摂氏と華氏が使われている国、地域について
をきちんと理解しておけば、いざ海外旅行に行く人も安心する事が出来ます。
この記事では、3つの疑問を中心に摂氏と華氏についてお話していきます。
理科や化学、物理の勉強をしている人も、温度変換に対して苦手意識を持っている人が多いので、そういう人達にも極力分かりやすくお話していきます。
摂氏とは
水の三体状態は、氷(固体)、水(液体)、水蒸気(気体)ですが、
標準大気圧(1気圧=1013hPa)の時に、
・水が固まる温度(凝固点) 0度
・水が沸騰する温度(沸点) 100度
であるのは、ほとんどの人が知っている常識であり、この凝固点と沸点を基準にして100等分したのを1度としたものを摂氏と定義しています。摂氏の単位は℃です。
摂氏という名前の由来は、スウェーデンの天文学者のセルシウスが考案したものであり、セルシウス温度という言い方が一般的ですが、中国語では「摂爾修」と書くためその頭文字をとって摂氏という表現がされるようになりました。
水の三体状態の知識から分かるように、日本人の温度感覚は完全に摂氏に馴染んでいますが、アメリカで、水は100度で沸騰すると言うと、クレイジ~となります。
華氏とは
華氏とはドイツの物理化学者であるファーレンハイトが考案した温度です。(中国語で「華倫海」と表記)
単位は、ファーレンハイトの頭文字をとってFになります。
最近は少なくなりましたが、水銀による温度計を世界で一番早く作ったのが、ファーレンハイトです。
温度計を作る段階で、
「水と食塩を混合したものが氷になる温度」=0度
と考え、つまり海水が凍ってしまう温度を0度と設定しました。
食塩が混ざった水は、通常の水より低い温度でないと凍る事が出来ません。(このように、不揮発性の物質を水に溶かすと凍る温度が下がることを凝固点降下といいます)
当時は、海水が凍る温度が人工的に作れる最低温度であったため、日常生活で華氏を使っている人は、温度に関してマイナスの概念がありません。
また、高い方の温度は、
「健常な人間の体温」=96度
と設定しました。
この理由は、設定当時は偶数である上に3で割り切れることが、何かと便利という理由だそうですが、詳しいところまではわかりません。
ちなみに、当時の水銀温度計で
・水の凝固点(摂氏0℃)=華氏31.2F
・水の沸点(摂氏100℃)=華氏206.5F
であったが、2つの温度差が175.3度というあまりにも中途半端になるため、
・水の凝固点(摂氏0℃)=華氏32F
・水の沸点(摂氏100℃)=華氏212F
と凝固点と沸点の間隔を180と設定しました。つまり、摂氏1℃上がると華氏は1.8℃上昇という事になります。
この定義は、次で説明する摂氏と華氏の変換する上で大事になってきます。
摂氏と華氏の変換方法は?
日常生活における温度の基準は摂氏と華氏があることが理解出来たと思いますが、ここでは摂氏から華氏へ、華氏から摂氏への温度の変換方法についてお話していきます。
摂氏と華氏の変換方法は、思っている以上に簡単ですが、それでも絶対に覚えておいて欲しい数字があります。
・0℃=32F(水が凍る温度は華氏では32度)
・100℃=212F(水が沸騰する温度は華氏では212度)
・1℃の温度変化は、1.8F温度変化する。
これだけは覚えてもらわないとどうしようもありません。
華氏(F)から摂氏(℃)への変換
華氏(F)から摂氏(℃)に変換は、海外旅行先で温度表示が華氏の場合に必要になってきます。
華氏(F)から摂氏(℃)に変換するときは、以下の式にあてはめます。
摂氏(℃)={華氏(F)-32}/1.8
摂氏の基準を0℃とすると、華氏表示では32℃高いことになります。そのため、まずは32を引きます。
そして、華氏の温度変化は摂氏の1.8倍であるため、1.8で割ることで摂氏を求める事が出来ます。
摂氏(℃)から華氏(F)への変換方法
日常生活でわざわざ華氏に変換することは滅多にないですが、試験に出てくる事もあるので知っておいて損はないです。
摂氏(℃)から華氏(F)に変換するときは、以下の式にあてはめます。
華氏(F)={摂氏(℃)+32}×1.8
華氏の基準を0℃とすると、摂氏表示では32℃低いことになります。そのため、まずは32を足します。
そして、華氏の温度変化は摂氏の1.8倍であるため、1.8をかける事で華氏を求める事が出来ます。
「摂氏」と「華氏」が使われている国や地域はどこ?
海外にいって、いきなり温度表示が華氏になっていたらびっくりするので、事前に摂氏と華氏が使われている国や地域が分かれば、事前に対策を練る事が出来ます。
温度の基準の歴史を見ると、1960年代までは、多くの英語圏の国で華氏が使われて、気候・産業・医療における温度の基準となっていました。
その後、1960年代後半から1970年代にかけて、メートル法への切り換えの一環としてセルシウス度(セ氏度)の導入が政府によって行われたため、ほとんどの国や地域では摂氏が使われています。
そのため、世界の温度基準は完全に摂氏であるが、アメリカやジャマイカ、イギリスは華氏が使われる事が多く、カナダはアメリカ製品を使用する機会が多いため、華氏を使う場合もあります。
最後に
摂氏と華氏の変換と聞くと、学校の授業や試験でしか扱わないと考えている人も多くいますし、摂氏が世界の温度基準となっているため、無理して華氏を覚える必要はないかと思うでしょう。
しかし、国際化が進んでおり、海外に行く機会も増えて、現状として華氏を使っている国や地域も存在するので、覚えておいて絶対損はしないと思います。
日本に久しぶりに帰ってきて、
摂氏がわからなくて困っているところこのブログにたどり着きました。
感謝のお詫びと言ってはなんですが、
内容に間違いを見つけたので、ご報告までに!
コメントは消したいただいてかまいません
ブログの通りだと
摂氏→華氏と華氏→摂氏の式が等価でないです。
理由は以下に示す通りです。
このブログの通りだと
50℉=10℃
10℃=(10+32)×1.8=75.6℉
よって、
50℉=75.6℉
というとんでもない等式が成り立ってしまいます。
何度もコンバートを続けると気温が上昇し続け、灼熱地獄になります!
訂正解説は以下になります。
著者様の情報から、
0℃=32℉
10℃=50℉
よって解を求める一般式は
℉=℃×1.8+32であり
その逆は
℃=(℉-32)/1.8
であります。
日本に久しぶりに帰ってきて、
摂氏がわからなくて困っているところこのブログにたどり着きました。
感謝のお詫びと言ってはなんですが、
内容に間違いを見つけたので、ご報告までに!
コメントは消したいただいてかまいません
ブログの通りだと
摂氏→華氏と華氏→摂氏の式が等価でないです。
理由は以下に示す通りです。
このブログの通りだと
50℉=10℃
10℃=(10+32)×1.8=75.6℉
よって、
50℉=75.6℉
というとんでもない等式が成り立ってしまいます。
何度もコンバートを続けると気温が上昇し続け、灼熱地獄になります!
訂正解説は以下になります。
著者様の情報から、
0℃=32℉
10℃=50℉
よって解を求める一般式は
℉=℃×1.8+32であり
その逆は
℃=(℉-32)/1.8
であります。