毎年12月になると気温が一気に下がり始めますが、この時期は天気予報を見ると、「冬将軍」という言葉を聞く機会が増えます。
冬将軍と聞くと、めちゃくちゃ寒くなるというイメージは湧くと思いますが、本当の意味での冬将軍について知っている方は少ないと思います。
この記事では、冬の天気予報でよく聞く、冬将軍の意味について解説していきます。
冬将軍とは厳しい寒さを例えた比喩表現
冬将軍という言葉は、気象における専門用語ではありません。
冬型の気圧配置が発達して、日本海側で大雪が降り、太平洋側で北西からの冷たい乾燥した風が吹く事で、日本海側も太平洋側でも厳しい寒さを迎える事を比喩して冬将軍と呼ばれています。
冬将軍と呼ばれる由来とは
冬将軍という言葉の由来は、ナポレオンの時代にさかのぼります。
1812年、モスクワに遠征したナポレオンが、ロシアの冬の寒さと雪が原因で敗れてしまいました。
それまで、戦争に対して百戦錬磨のナポレオンが、冬の自然現象にやられてしまった衝撃から、当時、イギリスのマスコミや通信社が「general frost」と報道したのが、「冬将軍」の最初の使用例とされています。
ここから、「冬の厳しい寒さ」=「冬将軍」の構図が出来上がりました。
冬将軍を使うときの具体的な気象状況とは
冬将軍は厳しい寒さを比喩で例えたものですが、気象でいう「冬将軍が来る」とは、強い寒波がくる事の喩えを指す事が多いです。
冬将軍が来ると、シベリアからの寒気が相当冷え込んだまま日本の上空に来るので、いつもより厳しい寒さになります。
そのため、普段から雪が降る北海道から北日本、日本海側などでは、吹雪の影響で何も見えなくなる事が考えられ、滅多に雪が降らない太平洋側や比較的暖かめの場所では、雪が降る可能性も考えられます。
また、冬将軍が来る時は、等圧線にも大きな傾向が見られるようになります。
西高東低の気圧配置の場合、等圧線は縦方向に引かれる事は多いですが、冬将軍が来ると等圧線が縦方向にまっすぐになることが多いです。
そのため、天気予報の気圧配置を見た時に、等圧線が縦にまっすぐなっている場合、冷え込みが厳しいと判断する事が出来ます。
冬将軍が来る時期と時間について
冬将軍は、二十四節気の小雪(11月23日頃)や大雪(12月7日頃)の時期に訪れる事が多いため、この日を境に一気に冷え込みが厳しくなり、本格的な冬が訪れます。
冬将軍は冬の期間中であれば1ヶ月に2~3度、一度寒波がくれば、1日~数日間続きます。
最後に
冬将軍が来ると、一気に冬が訪れるため、インフルエンザや喉の不調、肌の乾燥など冬の悩みが一気に降りかかってきますので、冬将軍が来るまでにしっかりと冬支度をすませるようにしてください。