会社の飲み会などで飲みすぎた翌日は、頭がズキズキしたり、吐き気、食欲不振などさまざまは二日酔いの症状が出てかなりしんどいものです。
そんな中、二日酔いになった時の対応としてしじみの味噌汁を飲むと答える方が多いと思いますが、一方でしじみには二日酔いに効果が無いと言う方が多いのも事実です。
果たして二日酔いにしじみは本当に効果があるのでしょうか?
この記事で、科学的視点に基づいてしじみの二日酔いを抑制する効果についてお話していきます。
しじみに含まれる栄養素とは
しじみには、良質のミネラル、アミノ酸を豊富に含んでいます。
その中で、しじみに豊富に含まれているアミノ酸で有名なのが、「オルニチン」です。
オルニチンはサプリメントでも販売されているため、オルニチンの効果について詳しい方も多いと思いますが、オルニチンは体内に取り込まれると血液中に溶け込み、アンモニアの解毒、肝機能の保護の役割を果たします。
しじみの他の成分でも二日酔いに良いとされている効果を以下にまとめました。
・アラニン、グルタミン(アルコールの代謝促進)
・メチオニン(肝臓の働きをサポート)
・タウリン(解毒作用を上げる)
・グリコーゲン(肝臓の働きを活性化)
つまり、お酒を飲み過ぎると肝臓に負荷がかかり、肝臓の働きが弱くなってしまうため、しじみに含まれている成分によって、肝臓機能をサポートするため、しじみは二日酔いに良いとされています。
二日酔いにしじみが良いのは誤解である
先程は、しじみの成分から二日酔いに良いとされている理由についてお話しましたが、実は先ほどの内容には大きな誤解があります。
そのヒントは以下の記事を読んでいただけたら、答えはわかってくると思います。
実はその記事の中に、しじみという単語が一言も出ておりません。
つまり、しじみは二日酔いに良いかと言われれると、全く効果がないとまでは言い切れませんが、抜群の効果があるとは言えず、記事内の対策をおこなう方がよっぽど効果的があります。
なぜ二日酔いにしじみは誤解なのか?
しじみはアンモニアの解毒効果と肝機能の働きがあることは先程お話しました。
しかし、二日酔いの直接の原因は、アルコールの分解が関与しています。
アルコールもアンモニアも人体にとって有毒な成分ですが、肝臓で無害の成分に分解されます。
アンモニアは、人体に生命維持に必須であるアミノ酸を取り入れる時に、食事から摂取されたタンパク質を胃や腸で分解する必要がありますが、その時にどうしても副産物としてアンモニアという物質が作られてしまいます。
そのため、アンモニアの解毒効果があるしじみはとても効果があります。
つまり、同じ肝機能サポートがあっても、二日酔いの原因がアルコールである以上、純粋にアルコールを分解する成分を含む食べ物や飲み物を摂取しなければ、二日酔いの根本的な問題解決にはなりません。
おそらく、肝機能を上げてくれるという部分だけがフォーカスされてしまい、少し間違った解釈になってしまったと思われます。解毒する種類が違えば人体に与える働きや効果は大きく変わってしまいます。
しじみも、一部アルコール分解に効果がある成分はありますが、しじみの成分でオルニチンが大量に含まれている以上、それに期待するのはあまり良くないと思います。
しじみは二日酔い対策として間違っているのか?
しじみは二日酔い対策として間違っているのかと言われると必ずしもそうだとは言い切れません。
確かに直接二日酔いの効果は薄いと思いますが、肝機能を高めてくれる以上、逆にお酒を飲む前に、二日酔いの予防としてしじみ汁を食べるという手があります。
もちろん、過度な期待は出来ませんし、飲む前にしじみ汁は現実的ではありませんが、しじみに含まれているオルニチンを摂取する事で、肝機能が向上するため、アルコールを摂取しても、血中アルコール濃度が上がりにくく、下がりやすいというデータがあります。
そのため、食前にオルニチンを摂取する事で、酔いにくくする働きが多少期待出来ます。
最後に
今回の記事で一番言いたかった事は、二日酔いの原因はアルコール分解によるもので、しじみが持つ成分であるオルニチンは、アンモニア分解であると言う事です。
2つとも人体に有毒で、肝臓によって無害の成分に分解されているが、分解する毒が違うと言う事をきちんと理解していただけたらと思います。